コラムCOLUMN
<虫歯進行と治療の実際>
こんにちは、田町スクエア歯科・矯正歯科の中川です。
今回は虫歯の進行とその治療について説明していきたいと思います。
虫歯はプラークと呼ばれる細菌の塊の中に潜む、ストレプトコッカス・ミュータンスという菌を主として引き起こされます。
この菌は砂糖などに含まれるスクロースを栄養として乳酸を作り出します。
その結果、お口の中が酸性となり歯が溶けていきます。
虫歯にならないようにするためには、プラークを日頃のブラッシングやフロッシングで取り除くことが大切です!
そんな虫歯ですが、進行具合により5段階に分けることが出来ます。
C0‥‥初期の虫歯です。私は虫歯の赤ちゃんと表現しています。
この時期は削って治療することはありません。
フッ素入りの歯磨き粉を用いてしっかりセルフケアして頂ければ再石灰化して治ってしまうこともあります。
C1‥‥歯の外周にあるエナメル質に限局した虫歯です。
エナメル質には神経が通っていないので、症状が出ることはありません。
穴が空いているようであれば虫歯の部分だけ削って埋めることもあります。そうでなければ、C0のように定期的に様子を見ることもあります。
C2‥‥虫歯がエナメル質からさらに内側の象牙質に進行してしまった状態です。ここまでくるとしみるなどの症状が起き始めます。
虫歯の進行で脆くなった歯が欠けてしまうこともあります。
前歯であれば白い樹脂で詰めたり、奥歯であれば、型を取り詰め物をセットします。
☆ここまでの虫歯であれば、さほど回数もかからず治療が完了しますし、歯としても健康な状態を維持することが可能です!
しかしこれ以上虫歯を放置すると歯の寿命を縮める可能性が高まってしまいます。
C3‥‥虫歯がさらに進行し、内部の神経まで感染が起きてしまった状態です。
症状としては、
・何をしていなくてもジンジン痛む
・冷たいものだけでなく温かいものもしみる
・夜寝る時に痛む(夜間痛)
こうなってしまうと虫歯だけでなく感染してしまった歯の神経を取る必要があります。
治療の回数も増えますし、治療後は被せものにて修復する必要がありますので、歯を大きく削らないといけません。被せるものによっては費用が余分にかかってしまいます。
また神経を取った歯は、それ自体が脆くなってしまい歯が将来的に割れてしまうリスクが増大します。
イメージとすると、神経が残っている歯は青々とした竹で、神経を取った歯は枯れた木です!
竹はしなってなかなか折れたりしませんが、枯れた木は内部の水分が無く、強い力が加わると割れてしまいます。
C4‥‥むし歯が進行して根っこだけが残っている状態です。
神経が壊死し、根っこの先に膿が溜まっています。
残念ながらここまで虫歯が進行してしまうと歯を抜いてしまわないといけません。
抜歯後は入れ歯、ブリッジ、インプラント、歯の移植のいずれかの治療により無くなってしまった歯を補綴することになります。
むし歯の進行はこのような過程を経て進行していきます。
大事なことはC2までの段階で早期にむし歯の治療を行うことです!
神経を温存することは歯の健康を維持する上で最も重要です。
定期的に検診を行い、むし歯が小さいうちに治療を行いましょう!